先日、Trekの人気アルミロード「Domane AL 2 Gen 4」をShimano 105 Di2(12速)仕様へアップグレードしました。
AL 2は完成車だとClaris搭載の入門ロードですが、Gen 4になってフレーム形状・内装処理・全体設計が大きく進化しており、アップグレードベースとして非常に優秀です。
ただし、Domane AL 2 Gen 4はDi2対応フレームではありません。
では「電動化できないの?」と思うかもしれませんが、実は工夫次第で十分に実現可能です。
Domane AL2 Gen4 はDi2非対応?
Domane AL 2 Gen 4は、Trekのアルミロードとしては非常に完成度の高いフレームですが、カタログ上ではDi2対応と記載されていません。
ただ、記載されていないからといって、Di2が取り付けられないわけではありません。
Di2用の「専用設計」が省かれているだけ
上位グレードのフレームと比べると、AL2 Gen 4には次のようなDi2向けの設計が備わっていません。
- フレーム内部に十分なケーブルルートがない
- 電動ケーブルを通すための専用ポートがない
- 内蔵バッテリーを固定するマウントがない
また、機械式変速を前提とした構造のため、一部のケーブルは外装となります。
とはいえ、これは“Di2用に最適化されていないだけ”であり、工夫次第で問題なくDi2化が可能です。

Di2化のメリット
1. 変速操作が軽くて正確
- 指先の軽い操作だけで、素早く正確に変速できる
- ロングライドでも手や腕の疲労が大幅に軽減
- 変速ミスが減り、安全性も向上
2. ケーブルの取り回しがスッキリ
- 外装ケーブルが減り、フレームの美しさを損なわない
- 見た目が整い、上位グレード風のスタイリッシュな仕上がりに
3. シンクロナイズドシフト・セミシンクロナイズドシフトによる自動変速
- シンクロナイズドシフト:
リアディレーラーの変速に連動してフロントディレーラーが自動で変速する機能。
リアを操作するだけでフロントギアも最適な位置に切り替わるため、実質リアの操作だけで完結します。 - セミシンクロナイズドシフト:
フロントディレーラーの変速に連動し、リアディレーラーを自動で調整する機能。
フロントを変速するとリアが自動で最適なギアに合わせてくれるので、初心者でもスムーズに変速可能です。
4. E-TUBEアプリで豊富なカスタマイズが可能
- 専用アプリ「E-TUBE PROJECT」で各種設定をスマホから簡単にカスタマイズ
- シンクロ/セミシンクロのオン・オフや、変速タイミングの細かな調整が可能
- STIレバーやサテライトスイッチのボタン割り当てを自由に変更できる
- ファームウェア更新により最新機能や安定性を維持(※STIレバー以外)
- バッテリー残量や充電状況もアプリで確認できて安心
Di2 化によって、これまでのライドがまったく別物と言えるほど快適になります。
使用パーツ一覧
今回使用したパーツは以下の通りです。完成車から流用できる部分を活かしつつ、無理のないアップグレードにまとめています。

| 製品カテゴリー | 製品名 |
| STIレバー | ST-R7170(左右) |
| ブレーキ | BR-R7170(前後) |
| フロントディレーラー | FD-R7150 |
| リアディレーラー | RD-R7150 |
| クランクセット | FC-R7100 |
| ボトムブラケット | SM-BBR60 BSA |
| チェーン | CN-M7100 |
| カセットスプロケット | CS-HG710 |
| バッテリー | BT-DN300 |
| 電動ケーブル | EW-SD300 1200mm、700mm |
| その他スモールパーツ | SM-AD91 MS 31.8/28.6(バンドアダプター) |
| Di2 バッテリーアダプター 27.2 | |
| BR-RS505キャリパー固定ボルトB |
※ディスクローターと一部のリアブレーキマウントは、コストを抑えるために純正のTektroパーツを流用しました。
作業工程
コンポーネントの取り外し
既存のClarisコンポをすべて取り外して、フレーム単体の状態にします。

ブレーキ&レバー
Domane AL 2 Gen 4 は、ステム下からブレーキホースを内部へ通す構造のため、ヘッドパーツを一度すべて取り外して、ブレーキホースを通します。



リア側のブレーキホースは、BB下から外装ルートとなります。走行中にホースがバタついてホイールに干渉しないよう、結束バンドで固定しておきます。


フロントのブレーキキャリパーは、追加パーツなしでそのまま取り付け可能です。
一方リア側は、今回は既存の160mmローターを使用するため、160mm用アダプターを装着します。新しいキャリパーにはこのアダプターが付属しないため、もともと機械式ブレーキで使用していたものを流用しました。
なお、キャリパー固定ボルトの一部はシマノ純正ボルトへ交換しています。
また、160mm用アダプターを使用する場合、キャリパーに付属するシマノ純正ボルトはやや長いため、スペーサーを入れてボルト長を適正化しています。


Shimano 105 Di2のSTIレバーは内向きのデザインなので、実際に握って最もフィットする角度に調整します。
STIレバーとキャリパーを取り付け、ブレーキホースを接続したら、ブリーディングを実施します。
最後にキャリパーの位置を微調整し、ローターとパッドの擦りをなくせばブレーキ周りの作業は完了です。
Di2配線
バッテリーはシートチューブ内へ
デダエレメントのDi2バッテリーアダプターを使用してバッテリーを固定。
ただし、サドル高の関係でDi2バッテリーアダプターがボトルケージボルトに干渉するため、シートポストをカットして調整しています。

フロントディレーラー配線
Di2専用ポートが無いため、フェンダー取り付け時に使うネジ穴を活用。
ネジ山でケーブルが傷つかないよう、熱収縮チューブで保護します。

リアディレーラー配線
同じくDi2専用ポートが無いため、BB下のケーブルガイドのネジ穴を活用。ただ、BBを組む際にケーブルが干渉しやすいため、工夫しながら通します。強引に作業すると断線の恐れがあるので注意が必要です。

外装部分はケーブルカバーで固定
今回のフレームカラーに合わせて、黒のケーブルカバーを使用。
電動ケーブルを目立たせず、しっかり固定できます。

変速機・クランク
クランクセットはグリスを塗って装着し、規定トルクで締め付けてガタつきが出ないようにします。
フロントディレーラーは直付け仕様なので、フレーム側がDi2対応ではない場合はバンドアダプター(SM-AD91)で固定します。角度やチェーンリングとのクリアランスを確認し、保護カバーと一緒にケーブルを取り付けます。

リアディレイラーはUDH(ユニバーサルディレイラーハンガー)に取り付け。ケーブル接続後、防水カバーを装着。走行中のケーブルのバタつきを防ぐため、付属のケーブルガイドパーツも取り付けます。
カセットスプロケット
Domane AL 2 Gen 4標準ホイールのフリーボディは11速対応なので、12速カセットスプロケットも取り付け可能です。

チェーン
チェーンは適正な長さにカットしてから、クイックリンクで繋ぎます。

Di2セットアップ
Di2はSTIレバーがワイヤレスのため、使用する前にペアリング作業が必要です。ペアリングは、シマノ公式アプリ「E-TUBE PROJECT」を使って行います。
ペアリングが完了したら、続いてファームウェアの更新を実施します。最新バージョンにしておくことで、動作の安定性や変速性能が向上します。
ちなみに、新品のDi2バッテリーは充電されていない場合があるため、取り付け前に充電しておくとスムーズに作業できます。
最後に変速の微調整を行えば完了。シマノ公式マニュアル通りに作業すれば安心です。

作業前の状態(Before)
Beforeの状態では、一部外装ワイヤーが露出しており、AL系フレームらしいクラシックなスタイルでした。






作業後の状態(After)
完成後は、ケーブルの露出が最小限になり、正面から見ても横から見ても非常にスッキリ。
電動ケーブルの外装部分もなるべく目立たなくしました。






もちろん、性能も大幅に向上。
- 指先だけで軽く・正確に変速
- ロングライドの疲労が大幅軽減
- ギアミスが少ない
- 油圧ブレーキで制動力UP
Domane AL 2はもともと快適性が高いため、電動化との相性はバッチリです。
また、今回のアップグレードにより、バイク重量は 11.46kg → 10.88kg (-約580g)となり、しっかり軽量化されています。

費用の目安・納期
- 費用の目安(工賃含む/税込):25〜30万円前後(今回は約27万円)
※選ぶパーツや流用範囲で変動 - 納期:1〜2週間程度
- 追加パーツ・工賃は車体によるため個別の見積もりが必要
買い替えるほどではないけれど、
「今のDomane AL 2をもっと好きになりたい」という方にはおすすめです。
SRAMの場合は?
- SRAM電動化は可能(Rival/Force AXSなど)
- フル無線のためケーブル配線は不要、作業はDi2より簡単
- ただし費用が高い
- 標準ホイールはXDRフリーボディ(SRAM用)に対応していないため、ホイール交換が必要
- パーツだけで約30万円(工賃別)
コスト面を考えると、Domane AL 2 Gen 4の電動化はShimano 105 Di2がおすすめです。
まとめ|Domane AL 2 Gen 4は"Di2非対応"でも"Di2化"できます。
- Di2非対応フレームでも、工夫次第でDi2化は可能
- 一部は外装になるが、見た目は十分美しく仕上がる
- 性能は劇的に向上し、新しいバイクのような乗り味に
エントリーグレードとは思えないほど快適なバイクへ変貌します。
Di2化のご相談はお気軽にどうぞ
当店では、今回のようなDi2非対応フレームの電動化も承っております。
ただし、フレームによって適性が異なるため、
- 作業の可否
- 必要となるパーツ
- 概算費用
- フレームの状態チェック
など、まずはお気軽にご相談ください。
また、ShimanoだけでなくSRAMの電動化についてもご相談を承っております。
ご来店・お問い合わせを心よりお待ちしております。
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