
スペシャライズドからロードホイールの常識を覆す新たなRoval Rapide(ロヴァールラピーデ)シリーズ「Rapide Sprint CLX」「Rapide CLX III」「Rapide CL III」が登場しました!
従来の「リムハイトはリアが高い方が速い」という常識を覆し、前輪のリムハイトをあえて後輪より高く設定した革新的な設計です。
高いフロント×低いリア?新常識の誕生
従来、ホイール設計においては「リアのリムハイトがフロントより高い方が速い」と考えられてきました。新型Roval Rapideシリーズではその常識を覆す、「フロントのリムハイトが高く、リアが低い」という革新的な設計を採用しています。
その理由は、「空力性能の約90%がフロントホイールに依存する」というデータに基づいています。Roval開発チームは自社の風洞実験施設「Win Tunnel」を活用し、CTスキャンやCFD(数値流体力学)解析を繰り返すことで最適なホイール形状を追求しました。
その結果、Rapide CLX Sprintではフロント63mm/リア58mm、CLX IIIではフロント51mm/リア48mmという非対称なリムハイト構成を採用。これにより、空気抵抗を効果的に削減しつつ、重量と加速性能の理想的なバランスを実現しています。

Arris社製Rovalコンポジットスポーク
ホイールの性能において、スポークは「縁の下の力持ち」的存在。しかし、その存在感は、今回のRapideシリーズで確実に主役級へと進化しました。
Roval開発チームは、カルフォニアの最先端複合材メーカーArris Composites社と共同開発し、「Rovalコンポジットスポーク」を誕生させました。
Rovalコンポジットスポークは、従来のスチールスポークと比較して1本あたり1.7gの軽量化を達成しており、ホイール全体では合計101.6gの質量削減につながっています。
それにもかかわらず、強度はスチール比で約63%向上しており、軽量性と耐久性の両立を実現しています。
また、スポーク両端には高精度なチタン製ヘッドを採用。カーボン素材の弱点である「ねじれに対する耐性」や「接合部の脆さ」を補い、高トルクがかかる状況でも安定したパフォーマンスを発揮します。

FlatStopビードフックの革新
新型Rapideホイールは、パンク時の安全性と走行性能の両立を目指し、リム構造を徹底的に見直して開発されました。
前作Rapide CLX IIのデータをもとに、タイヤがパンクしてもリムから外れにくくするため、リム内幅21mm/外幅29mm、広めのビードフック、大径のビード曲率を採用。これにより、タイヤ保持力が大幅に向上し、リム打ちパンクへの耐衝撃性は39%向上しました。
さらに、UCI(国際自転車競技連合)の基準では、ホイールに対して40ジュールの衝撃試験が行われますが、Roval開発チームはこれを不十分と判断。実際のライダーのデータをもとに、より厳しい独自の衝撃テストを設計し、最大70ジュールの衝撃を加える試験を実施しました。この過酷な試験でも、パンク後にタイヤがリムから外れることはなく、トップレーサーがシーズンを安全に走り切る信頼性が確保されています。

Rovalの風洞実験やCFD解析、パワーシミュレーションはすべて「速く走るため」に行われました。そしてFlatStopリムは、その“速さを守る”ための防御力です。
横風を切り裂く空力性能
Rovalの開発チームは、レース中の風の影響を最小限に抑えるため、ホイールの空力性能を徹底的に追求しました。風洞実験の結果、風が斜めから当たる「ヨー角」0〜±14度の条件下において、Rapide CLX SprintとRapide CLX IIIホイールが最速であることが示されています。
これは、ディープリムが風に対して「セイル効果」を発揮するためです。風が斜めから当たると、リム全体が前方に押し出され、その推進力が速度に寄与します。リムが深いほど表面積が大きく、セイル効果も強まるため、より高い速度が得られます 。
さらに、フロントホイールをリアよりディープにする設計は理にかなっています。前輪はバイク先端で横風を最初に受ける部分であり、リアに比べて直接かつ強いヨー角の影響を受けます。実際、リアはフロントで整流された風を受けるため、受けるヨー角は半分以下になることもあります。つまり、リアのリムを深くする空力効果はフロントほど重要ではなく、軽量化の観点からリアは浅くしてもパフォーマンスに大きな影響はないのです 。

まとめると、Rovalの新設計は以下のロジックに基づいています。
- フロントを深く、リアを浅くすることで、90%以上の空力性能を保ちながら軽量化を実現
- ディープリムによるセイル効果で横風に強く、速度が向上
- フロントの横風影響が大きいため、そこに空力投資することで効率的な性能向上が可能
このように、Rovalのホイールは横風の厳しい条件下でも安定した速度と反応性を両立し、「風を味方にする」ホイールへと進化しています。
Rapide CLX Sprint ― スプリンターのための最終兵器

CLX Sprintは、シャンゼリゼ通りでの頂上決戦や、ミラノ〜サンレモのような高速逃げ切りレースを制するための“スプリンターズ・ホイール”。レムコ・エヴェネプールが2024年パリ五輪TTでフロントに使用し、金メダルを獲得した実績も信頼性を裏付けます。
価格:
フロント ¥193,600(税込) / リア ¥290,400(税込) / セット ¥484,000(税込)
スペック:
- 用途:ロードレース
- リムハイト:フロント63mm/リア58mm
- 外幅(最大部):フロント35mm/リア34.4mm
- 内幅:21mm
- 重量(バルブとテープ込み):フロント640g/リア755g/セット1395g
- 重量削減量(前作との比較):125g
- タイヤサイズ:28mm幅で最適化
- ハブ:Roval Low Flangeロードハブ
- スポーク:Arris社製Rovalコンポジットエアロスポーク、チタン製ヘッド
特徴:
- 250mスプリント時に、他のホイールから最大18cm先行。
- 重量と空力の絶妙なバランスで、最高速フェーズでも失速しにくい。
- 高強度スポークで横剛性と耐久性もトップレベル。
どんな人に?
- レース終盤、すべての力をスプリントに注ぎたいレーサーへ。
- 勝利の数センチを手にしたい、トップカテゴリーの競技者に。
Rapide CLX III ― バランスと万能性を極めたオールラウンダー

CLX Sprintのスピードに憧れつつも、登りやテクニカルなコース、長距離でも使いたい—そんな要望に応えるのがCLX III。空力はSprintに迫りながら、CLX IIより215gの軽量化を達成。多くのレースシーンにフィットする万能型ホイールです。
価格:
フロント ¥193,600(税込) / リア ¥290,400(税込) / セット ¥484,000(税込)
スペック:
- 用途:ロードレースおよびライド
- リムハイト:フロント51mm/リア48mm
- 外幅(最大部):フロント35mm/リア31.3mm
- 内幅:21mm
- 重量(バルブとテープ込み):フロント600g/リア705g/セット1305g
- 重量削減量(前作との比較):215g
- タイヤサイズ:28mm幅で最適化
- ハブ:Roval Low Flangeロードハブ
- スポーク:Arris社製Rovalコンポジットエアロスポーク、チタン製ヘッド
特徴:
- 前作CLX IIより軽く、空力性能は同等。
- 横風安定性は+25%、ヨー角±14°でも高性能。
- パンク時のタイヤ脱落を防ぐ設計。
どんな人に?
- コースに関係なくオールラウンドに戦いたいレーサー。
- 高速巡行も登りもこなす、汎用性の高いセッティングを求める方。
Rapide CL III ― 手の届く価格で、プロレベルの走りを

CL IIIは、CLXシリーズの設計思想を継承しながら、より多くのライダーに手が届く価格帯を実現したモデル。素材やハブの一部を変更することで、コストを抑えつつも、空力と安定性はしっかりと確保されています。
価格:
フロント ¥96,800(税込) / リア ¥145,200(税込) / セット ¥242,000(税込)
スペック:
- 用途:ロードレースおよびライド
- リムハイト:フロント51mm/リア48mm
- 外幅(最大部):フロント35mm/リア31.3mm
- 内幅:21mm
- 重量(バルブとテープ込み):フロント716g/リア839g/セット1555g
- 重量削減量(前作との比較):35g
- タイヤサイズ:28mm幅で最適化
- ハブ:DT Swiss 350 EXP
- スポーク:DT Swissコンペティションレース、ストレートプル
特徴:
- チューブレス設計で安心感◎
- ヒルクライムにも使える軽さと剛性のバランス
- 高速巡行性能と日常使いの耐久性を両立
どんな人に?
- コストパフォーマンスを重視しつつ、勝負もしたいライダー。
- 初めての高性能ホイールを検討中のロードバイク愛好家。
スペック比較表
Rapide Sprint CLX | Rapide CLX Ⅲ | Rapide CL Ⅲ | |
用途 | ロードレース | ロードレース及びライド | ロードレース及びライド |
重量(バルブとテープ込み) | フロント/640g リア/755g セット/1395g | フロント/600g リア/705g セット/1305g | フロント/716g リア/839g セット/1555g |
リムハイト | フロント/63mm リア/58mm | フロント/51mm リア/48mm | フロント/51mm リア/48mm |
内幅 | 21mm | 21mm | 21mm |
外幅(最大部) | フロント/35mm リア/34.4mm | フロント/35mm リア/31.3mm | フロント/35mm リア/31.3mm |
タイヤサイズ | 28mm幅で最適化 | 28mm幅で最適化 | 28mm幅で最適化 |
ハブ | Roval Low Flangeロードハブ | Roval Low Flangeロードハブ | DT Swiss 350 EXP |
スポーク | Arris社製Rovalコンポジットエアロスポーク、チタン製ヘッド | Arris社製Rovalコンポジットエアロスポーク、チタン製ヘッド | DT Swissコンペティションレース、ストレートプル |
価格 | フロント/¥193,600(税込) リア/¥290,400(税込) セット/¥484,000(税込) | フロント/¥193,600(税込) リア/¥290,400(税込) セット/¥484,000(税込) | フロント/¥96,800(税込) リア/¥145,200(税込) セット/¥242,000(税込) |
Rovalホイール2年間破損時 無償交換プログラム
新発売のRoval Rapide Sprint CLX、Rapide CLX III、Rapide CL III はすべて「Rovalホイール2年間破損時 無償交換プログラム」の対象です。
本プログラムでは、ホイールを購入後2年以内に乗車中の事故などで対象ホイールが破損した場合、通常の保証対象外(レース中の落車やトレーニング中のアクシデント)であっても無償で交換されます。
プログラムの概要
- 対象期間:ホイール購入日から2年間
- 対象条件:乗車中の事故などによる破損(通常保証対象外の損傷も含む)
- 対象製品:Roval Rapide / CLX III /CLX II / CL III / CL II、Rapide Sprint CLX、Alpinist CLX II / CL II 、Terra CLX II / CL (2025年6月時点)
- 対象外:スポーク・ニップルのみの破損、ベアリングの消耗・破損、化粧損傷など
- 申請方法:購入証明書を持参のうえ、スペシャライズド正規販売店にて申請
注意および免責事項
- ファーストオーナーのみ対象。セカンドオーナー以降は対象外。
- 乗車時の破損ではない場合や意図的に破損させたと判断される場合はプログラムの適用対象外。
- 乗車に影響しないホイールの軽微な傷、スポーク・ニップルの破損や、フリーボディ、ベアリングの使用に伴う自然な消耗・摩耗は本プログラムの適用対象外
- 同一製品での交換。製品の製造が終了した場合など、交換可能な同一製品がない場合は同グレードの近しい製品との交換。
- 最初の購入時から2年未満は、複数回の破損にも適用。購入後2年以上経過した商品の保証対象外の破損については、クラッシュリプレイスメン トをご利用ください。
- 日本国内の正規販売店で購入された対象ホイールでのみ利用可能。
- 交換に際し、破損ホイールをスペシャライズド・ジャパンへ返送する際の送料はお客様負担。タイヤ着脱、スプロケットやローター等の交換の作業工賃についても同様。
当店では、Rapide CL IIIを店頭にて在庫しております。
Rapide Sprint CLX と Rapide CLX III については、店頭在庫の入荷予定はございませんが、ご予約は承っております。現時点での納期は8月から10月頃を予定しておりますので、予めご了承ください。
詳細やご不明な点がございましたら、お気軽に店頭スタッフまでお尋ねください。
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