こんにちは、スタッフ高下です。
Trekの人気エンデュランスロードバイク「Domane(ドマーネ)」がフルモデルチェンジし、第5世代となるDomane Gen 5が登場しました。

Domaneといえば、ロングライドでの快適性や安定感に定評のあるロードバイクです。
今回のモデルチェンジでは、そのDomaneらしさを受け継ぎながら、フレーム設計を一から見直して大幅な軽量化を実現。
さらに、これまでDomaneの象徴ともいえる存在だったIsoSpeedを廃止し、新しいフレーム、新型シートポスト、ワイドタイヤを組み合わせることで、IsoSpeedに頼らない新しい快適性を実現しています。
標準で35mmタイヤに対応し、最大40mmまでのタイヤクリアランスを確保。
さらに、新型Domaneライザーバーやバッグマウント、T47ボトムブラケット、UDHなども採用され、ロングライドだけでなく、グラベルやバイクパッキングまで、さらに幅広い楽しみ方ができるロードバイクへと進化しました。
今回は、そんなDomane Gen 5の進化ポイントを詳しく紹介していきます。

IsoSpeedを廃止。それでもDomaneらしい快適性はそのまま
今回のDomane Gen 5で最も大きな変更のひとつが、Domaneの象徴ともいえるIsoSpeedの廃止です。

初代Domaneが登場した2012年当時は、700×25Cタイヤとナローリムが主流。高い空気圧で走ることが一般的だったため、路面から伝わる振動を抑えるために開発されたのがIsoSpeedでした。
その後、ディスクブレーキの普及やタイヤのワイド化によって、ロードバイクを取り巻く環境は大きく変化。現在では35mm、最大40mmといったワイドタイヤを使用できるようになり、タイヤ自体でも振動を吸収できるようになっています。
さらにTrekによると、顧客調査でユーザーが求めていたのは「より軽いバイク」「より手頃な価格帯」「よりアップライトなポジション」で、IsoSpeedそのものへの関心は以前ほど高くなかったとのこと。
そこでDomane Gen 5では、IsoSpeedを残すのではなく、フレーム・シートポスト・タイヤの3つを組み合わせて快適性を実現する設計へと変更しました。
新型フレームはカーボンレイアップを一から見直し、振動吸収性とペダリング剛性を両立。さらに、27.2mm丸型カーボンシートポストは、前後方向にはしなやかに動きながら、横方向には剛性を確保する設計となっています。
つまり、IsoSpeedを単純に「なくした」のではなく、快適性を実現する方法そのものを見直したというのが、Domane Gen 5の大きなポイントです。

「新型フレーム・シートポスト・ワイドタイヤ」で快適性を実現
では、IsoSpeedを廃止したDomane Gen 5は、どのように快適性を実現しているのでしょうか?
大きなポイントは、フレーム・シートポスト・タイヤの3つです。
新型フレーム
Domane Gen 5では、カーボンの積層を見直し、縦方向のコンプライアンス(しなやかさ)を重視したフレーム設計を採用しています。
路面からの振動を吸収しながら、ペダリングに必要な剛性も確保。
快適性だけを重視するのではなく、軽快な走りも楽しめるように設計されています。
また、最大40mmのタイヤクリアランスを確保しているのも大きな特徴です。
新型シートポスト
シートポストには、振動吸収性を重視した27.2mm丸型カーボンシートポストを採用。
専用のカーボンレイアップによって、シートポスト全体がしなやかに動き、路面からの振動を吸収します。
オフセットは5mmと25mmの2種類が用意されています。
ワイドタイヤ
そして、標準タイヤは従来の32mmから35mmへワイド化。
タイヤの空気量を増やすことで、路面からの振動を抑えながら、グリップ力も高めています。
この3つを組み合わせることで、IsoSpeedを使わなくてもDomaneらしい快適性を実現しています。

Gen 4とほぼ同等の快適性を実現
「IsoSpeedをなくして、本当に乗り心地は大丈夫?」と思う方もいるかもしれません。
Trekでは自社のPerformance Research Labで、Gen 4とGen 5の振動吸収性能を比較しています。
25mmタイヤ・高圧設定ではGen 5の振動伝達がGen 4より19%高くなった一方、Gen 5が想定する35mmタイヤ・低圧設定では、その差は5%以内に収まりました。
さらに、実際にライダーが走行した際の動きを赤外線モーションキャプチャーで解析したところ、Gen 4(IsoSpeed+32mmタイヤ)とGen 5(35mmタイヤ)のボトムブラケットやサドル~仙骨間の動きには、ほとんど差が見られませんでした。
下のグラフは、そのテスト結果を示したものです。

グラフを見ても、Gen 4とGen 5の波形はほぼ重なっており、IsoSpeedを廃止しても、35mmタイヤと新しいフレーム設計によって、Gen 4に近い快適性を実現していることが分かります。
また、ペダリング剛性はGen 4比で6%向上。快適性を維持しながら、より効率よく力を伝えられるフレームへと進化しています。
フレームを大幅軽量化。SLRは約305g軽く
Domane Gen 5のもうひとつの大きな進化が、軽量化です。
IsoSpeedを廃止し、フレーム構造を見直したことで、Domane SLRのフレームセットは先代モデルから約305g軽量化されています。
※MLサイズ・未塗装同士での比較。
また、Domane SLのフレームセット重量は、塗装前・MLサイズで1,492g。
Domane SLRでは1,202gとなっています。
エンデュランスロードでありながら、かなり軽量なフレームに仕上がっています。
軽量化によって、ヒルクライムだけでなく、信号からのスタートやコーナー立ち上がりなど、普段のライドでも軽快さを感じやすくなっています。

最軽量完成車は6.63kg
Domane Gen 5では、フレームの軽量化を活かした軽量モデルもラインアップされています。
最軽量モデルとなるDomane SLR 9 1×13は、完成車重量6.63kg。
先代の最軽量完成車からは、約950gの軽量化を実現しています。
主な仕様は、SRAM RED XPLR 1×13、10-46Tカセットスプロケット、Aeolus RSL 37ホイール、一体型Aero RSLバーステムなど。さらに、28mmタイヤを採用しています。
また、特別な軽量パーツに頼ることなく6kg台を実現しているのもポイントです。
Domane Gen 5は35mmタイヤを基本としていますが、このモデルでは28mmタイヤを採用。軽量性と走行性能を重視した仕様となっています。
エンデュランスロードというと「快適だけど重い」というイメージもありますが、Domane Gen 5はそのイメージを大きく変える、軽快さも楽しめるエンデュランスロードへと進化しています。

ペダリング剛性や空力性能も向上
Domane Gen 5では、フレーム設計を見直したことでペダリング剛性が6%向上しています。
さらに、空力性能についても改善されており、比較テストでは空気抵抗を1.26W削減。
エンデュランスロードとしての快適性を維持しながら、より効率よく前へ進めるバイクへと進化しています。
長距離を楽に走れるだけでなく、ペースを上げて走りたいときにも応えてくれるDomaneになっています。
新型27.2mmカーボンシートポストを採用
快適性を支える重要なパーツとして、27.2mmの丸型カーボンシートポストを採用しています。

細身の丸型形状と専用のカーボンレイアップによって、シートポスト自体がしなやかに動き、路面から伝わる振動を吸収します。
オフセットは5mmと25mmの2種類。
ライダーのポジションや好みに合わせて選択できるのもポイントです。
また、このシートポストは単品での交換にも対応しています。
Domane Gen 5の快適性を支える重要なパーツのひとつです。

標準35mmタイヤ・最大40mmタイヤ対応でオールロード性能が向上
Domane Gen 5では、35mmタイヤを基本仕様として採用しています。
※一部モデルを除く

従来のDomane Gen 4では32mmタイヤが基本だったため、Gen 5ではよりワイドなタイヤを組み合わせることで、快適性やグリップ力を高めています。
タイヤの空気量が増えることで、荒れた舗装路でも路面からの振動を抑えやすく、長距離ライドでも快適に走りやすくなります。
さらに、フレームは最大40mmのタイヤクリアランスに対応。
舗装路だけでなく、砂利道や林道など、これまで以上にさまざまな路面を楽しめるようになりました。
「ロードバイクだけど、たまにはグラベルも走ってみたい」
そんな楽しみ方にも対応しやすくなったのが、Domane Gen 5の魅力のひとつです。

新しいDomaneライザーバーでさらに快適なポジションに
Domane Gen 5では、ハンドル周りも大きく変わりました。
新しく採用されたDomaneライザーバーは、ブラケットの高さを従来より20mm高くすることで、よりアップライトで快適なポジションを作りやすくしています。

さらに、ハンドル上部にはバックスイープを設けたエルゴノミクス形状を採用。ハンドルが手前側に緩やかに曲がることで、手首や腕に無理のない自然なポジションを取りやすくなっています。
ドロップ部分は40mmのフレアを持ち、荒れた路面やグラベルなどでのコントロール性も高めています。
また、カーボン製のDomaneライザーバーにはIsoZoneパッドも搭載され、ハンドルから伝わる振動をさらに抑えています。
なお、ライザーバーはアルミ製とカーボン製が用意されており、ライディングスタイルや好みに合わせて選択できます。

ダウンチューブ内蔵ストレージを廃止。よりシンプルな設計へ
Gen 4まで採用されていたダウンチューブ内蔵ストレージは、Domane Gen 5では廃止されました。
これもフレーム構造をシンプルにして、軽量化を実現するための変更のひとつです。
「収納スペースがなくなったのはちょっと残念……」
と思う方もいるかもしれません。
その代わり、Gen 5ではバッグを取り付けるためのマウントを充実させています。
トップチューブバッグやトライアングルフレームバッグなどに対応し、ロングライドやツーリング、バイクパッキングなど、用途に合わせて収納を増やせる設計になっています。
内蔵ストレージから、必要なものを必要なだけ持ち運ぶスタイルへ。
Domaneの使い方に合わせて、収納方法も変化しています。

最新規格やバッグマウントにも対応
Domane Gen 5は、細かな部分も現代のロードバイクに合わせてアップデートされています。
主なポイントは、
- T47ボトムブラケット
- UDH(Universal Derailleur Hanger)
- 27.2mmシートポスト
- トップチューブバッグマウント
- トライアングルフレームバッグマウント
- フェンダーマウント
- 着脱可能なフロントディレーラーマウント
など。
フロントディレーラーマウントが着脱式になっているため、1×ドライブトレインを採用するモデルにも対応しやすく、用途に応じた構成を選びやすくなっています。
また、BBにはT47規格を採用。
フレームの軽量化だけでなく、現代のコンポーネントやアクセサリーにも対応しやすい設計になっています。

エンデュランスジオメトリーはそのまま
これだけ大きく変わったDomane Gen 5ですが、Domaneらしいエンデュランスジオメトリーの考え方は受け継がれています。
Madoneなどのレースバイクと比べると、ヘッドチューブが長く、ホイールベースも長め。そのため、前傾姿勢がきつくなりすぎず、安定感のあるポジションで長距離を走りやすい設計です。

さらにGen 5では、サイズ展開をXS・S・M・ML・L・XLの6サイズに整理。最近注目されているショートクランクも採用され、フレームサイズに合わせて従来より短めのクランクを組み合わせています。
ショートクランクは、ペダリング時の脚の動きをコンパクトにしやすく、特にアップライトなポジションとの相性も良いのが特徴です。
こうしたジオメトリーやパーツ設定も含めて、長距離を快適に走るための設計が細かく見直されています。
さらに、今回からサイズ展開もXS・S・M・ML・L・XLへ整理されています。
Domane Gen 5のモデル・グレード構成
Domane Gen 5は、SLとSLRの2つのカーボングレードで展開されています。
フレーム素材は、SLがOCLV 500、SLRがOCLV 900。
また、SLは機械式・電動コンポーネントの両方に対応する一方、SLRは電動コンポーネント専用設計となっています。
完成車のラインアップは以下の通りです。
| モデル | コンポーネント | ドライブトレイン | 完成車重量 | 価格(税込) |
|---|---|---|---|---|
| Domane SL 4 | Shimano Tiagra | 2×11速 | 9.10kg | 339,000円 |
| Domane SL 5 | Shimano 105 | 2×12速 | 8.84kg | 379,000円 |
| Domane SL 6 AXS | SRAM Rival AXS | 2×12速 | 8.64kg | 630,000円 |
| Domane SL 7 AXS 1x | SRAM Force XPLR AXS | 1×13速 | 8.14kg | 880,000円 |
| Domane SLR 7 | Shimano Ultegra Di2 | 2×12速 | 7.66kg | 1,100,000円 |
| Domane SLR 7 AXS | SRAM Force AXS | 2×12速 | 7.73kg | 1,450,000円 |
| Domane SLR 9 | Shimano Dura-Ace Di2 | 2×12速 | 7.34kg | 1,700,000円 |
| Domane SLR 9 AXS 1x | SRAM Red XPLR AXS | 1×13速 | 6.63kg | 1,780,000円 |
| Domane SLR 9 AXS | SRAM Red AXS | 2×12速 | 7.29kg | 1,850,000円 |
Domane Gen 5のカラーラインアップ
Domane Gen 5は、モデル・グレードごとに複数のカラーが用意されています。








その他のカラーはこちら
Domane Gen 4とGen 5を比較
Gen 4からGen 5への主な変更点をまとめると、以下のようになります。
| 項目 | Domane Gen 4 | Domane Gen 5 |
|---|---|---|
| コンセプト | エンデュランスロード | エンデュランスロード+オールロード性能 |
| 快適性 | IsoSpeed+タイヤ | 新型フレーム+27.2mmシートポスト+ワイドタイヤ |
| IsoSpeed | リアIsoSpeedを搭載 | 廃止 |
| フレーム | 800 Series OCLV(SLR)/500 Series OCLV(SL) | 900 Series OCLV(SLR)/500 Series OCLV(SL) |
| SLRフレームセット | ― | Gen 4比で最大約305g軽量化 |
| 標準タイヤ | 32mmが基本 | 35mmが基本(一部モデルを除く) |
| 最大タイヤクリアランス | 最大38mm | 最大40mm |
| シートポスト | 専用形状 | 新型27.2mm丸型カーボン |
| ハンドル | 通常のロードハンドルなど | Domaneライザーバーを採用(一部モデルを除く) |
| ハンドルポジション | ― | ブラケット位置を20mmアップ |
| ハンドル形状 | ― | バックスイープ+40mmフレア |
| クランク | 従来のクランク長 | ショートクランクを採用 |
| ダウンチューブストレージ | あり | 廃止 |
| バッグマウント | トップチューブなど | トップチューブ・フレームバッグ用マウントなどを拡充 |
| BB規格 | T47 | T47 |
| リアディレーラーハンガー | 従来規格 | UDH対応 |
| フロントディレーラーマウント | 固定式 | 着脱式 |
| フェンダーマウント | あり | あり |
| ジオメトリー | エンデュランスジオメトリー | エンデュランスジオメトリーを継承 |
| サイズ展開 | 47~62cm | XS・S・M・ML・L・XL |
| 最軽量完成車 | ― | 6.63kg |
Gen 5では、IsoSpeedの廃止やワイドタイヤ化だけでなく、フレームそのものを大きく見直しています。
「快適なDomane」から「快適で、軽く、より走りも楽しめるDomane」へ。
今回のフルモデルチェンジは、そんな進化を感じられる内容になっています。
まとめ
今回のDomane Gen 5は、Domaneの象徴だったIsoSpeedを廃止するという大きな決断からスタートしたフルモデルチェンジです。
ただし、IsoSpeedをなくして快適性を犠牲にしたわけではありません。
新型フレーム、新型27.2mmカーボンシートポスト、35mmタイヤを組み合わせることで、Gen 4とほぼ同等の快適性を実現。その一方で、フレーム構造をシンプルにしたことで、大幅な軽量化も実現しています。
SLRフレームセットでは先代から約305g軽量化され、最軽量の完成車では6.63kgを達成。
さらに、ペダリング剛性の向上や空力性能の改善など、走りの性能もしっかり進化しています。
そして、最大40mmタイヤへの対応、新型ライザーバー、バッグマウント、UDH、着脱式フロントディレイラーマウントなど、使い方の幅を広げるアップデートも多数。
ロングライドを快適に楽しみたい方はもちろん、舗装路だけにとらわれず、グラベルやバイクパッキングなどにも挑戦してみたい方にも、より魅力的なロードバイクになりました。
Domane Gen 5は、「快適性を重視したエンデュランスロード」という従来のイメージに、軽快さと走行性能、そして遊びの幅を加えた新しいDomaneです。
なお、今回のモデルチェンジではカーボンモデルのSL・SLRシリーズが先行して登場しており、現時点ではアルミモデルのDomane Gen 5は発表されていません。
また、当店ではDomane SL 4 Gen 5のMサイズ・Buff Beigeが9月頃に入荷予定です。
新しくなったDomane Gen 5が気になる方は、ぜひお気軽にスタッフまでお問い合わせください。
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